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Monica Cid
Mónica Cid has worked in Mass Market Marketing for 3 years, focus on developer journey for industrial and consumer processors and microcontrollers. She is based in Guadalajara, Jalisco, Mexico.
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NXPのFRDM i.MX 93開発ボードを使用した2025年NXP設計コンテストの受賞者を発表できることをとても嬉しく思います。世界中の開発者やエンジニアが、卓越した創造性、イノベーション、専門技能を発揮し、FRDM i.MX 93プラットフォームを現実世界の課題に対処するソリューションへと変えました。
このコンテストでは、NXPの強力なエッジ・コンピューティング・プラットフォームを使用した「既存の枠組みを超える設計」への参加者を募集しました。7月15日の締め切りまでに、多くのアイデアが寄せられました。それらのアイデアから選出された数名に、7月16日~8月15日の間にFRDM i.MX 93ボードが届けられました。その後は、各参加者が10月15日までに各自のビジョンを形にし、10月30日に受賞者が発表されました。
次のプロジェクトに向けて、FRDM i.MX開発ボードをご注文ください 。
NXPのi.MX 93アプリケーション・プロセッサをベースにしたFRDM i.MX 93ボードは、広範なエッジ・コンピューティング・アプリケーションに最適です。このボードは、エネルギー効率に優れたArm Cortex-A55コア、Cortex-M33コア、オンデバイスAI処理用のArm Ethos-U65 microNPUによるヘテロジニアス・マルチコア・アーキテクチャを採用しています。
さらに、このプラットフォームには40ピンの拡張ヘッダが含まれ、Wi-Fi/Bluetoothアドオン用にWi-Fi 6 + Bluetooth 5.4 + 802.15.4コネクタによるNXPのトライラジオ・ソリューションを採用したオンボードIW612モジュールが搭載されているほか、SWDデバッガも内蔵されています。これらの機能により、FRDM i.MX 93ボードは、産業用オートメーションからスマートホーム・デバイスまで、インテリジェントなエッジ・アプリケーションに必要な性能と柔軟性を提供できます。
Pablo氏は、ニューラル・ネットワークを使用して違法伐採、密猟、潜在的な山火事を検知する、太陽光発電による環境モニタリング・ノードを製作しました。このシステムは、log-melスペクトログラムでトレーニングした小型のCNNを使用して3秒のオーディオ・ウィンドウを分析し、チェーンソーの使用の検知で約94%の精度を達成しています。
技術的な実装も見事です。Pablo氏は、Google ColabのTesla T4 GPUでTensorFlow/Kerasを使用してモデルをトレーニングしました。次に、そのモデルをTFLite INT8量子化モデルとしてエクスポートし、ボードのNPU用にVelaでコンパイルしました。バッテリー・バックアップ付きの太陽光発電で動作するリアルタイム・パイプラインが、オーディオのキャプチャ、log-mel特徴量の抽出、推論の実行、デバウンスされたアラートの送信を行います。
Pablo氏は今後、車両、銃声、火災を含む複数の脅威シグネチャを検出しつつ、低消費電力のワイヤレス・コネクティビティを使用して、未処理のオーディオ・ストリームではなくプライバシー保護を考慮したイベント・アラートを送信するようシステムを拡張することを想定しています。
Pietro氏は、環境センシングと組込みAIを併用して自動化された空気質管理を行うインテリジェントな屋内気候制御システムを開発しました。このシステムは、温度、湿度、気圧、耐ガス性の測定値から適応性のある空気質指数を算出します。
PyTorchでトレーニングされたモデルは、TensorFlow Liteに変換され、NXPのeIQ® Toolkitを使用して量子化され、i.MX 93のNPUでレイテンシを推論あたり10ミリ秒未満に抑えて約100 KBで実行するように最適化されます。マルチヘッド・ニューラル・ネットワーク・アーキテクチャで、窓(開/閉)、VMC換気(オフ/低/高)、空調(冷房/オフ/暖房)の3つのシステムを自律的に制御します。
Pietro氏は、ライブ・センサ・データ、AIの判断、3日間の天気予報を表示するFlaskベースのウェブ・ダッシュボードを作成しました。このシステムは、WeatherAPI.comからの外部気象データを組み込むことで屋内と屋外の条件を比較し、すべてをデバイス上でローカルに処理してプライバシーと効率を確保しています。
Mihai氏は、小規模な太陽光発電設備のトラッキング用のコンパクトなエネルギー・モニタリング・システムを構築しました。このシステムには、I²C LPI2C4バスを介して接続された電流および電圧センサが使用されています。
Cで記述され、ARMGCCを使用してコンパイルされたコードにより、M33コア上のシステムがベアメタル形式で実行されます。このセットアップは1 Hzでセンサを読み取り、バッテリーの充電状態を計算し、消費量がしきい値(インバーター用の12 Vでは5 A、補助出力用の5 Vでは3 A)に達したときにスマート・アラートを発します。実用的な実装では、100 Wソーラー・パネル、MPPT充電器、12 V/55 Ahバッテリーのセットアップを監視します。
Mihai氏の今後の設計プランには、SPIを介したe-Inkディスプレイの追加、既存のスマートホーム・システムとのMQTT統合の構築、モニタリング・システムを完全なセルフパワーにするためのソーラー・アレイの拡張などが含まれています。
Pablo氏、Pietro氏、Mihai氏の優れた取り組みに祝意を表し、エッジ・コンピューティングの驚くべき可能性を提示していただいた参加者の皆様に心から感謝いたします。
FRDM i.MX 93プラットフォームの詳細を確認し、独自のプロジェクトを開始するには、NXPのウェブサイトにアクセスしてください。各受賞者のプロジェクトの詳細もご覧になれます:Pablo氏の森林保護ソリューション、Pietro氏のスマートホーム・システム、Mihai氏のソーラー・モニタ。
Product Marketer at NXP Semiconductors
Mónica Cid has worked in Mass Market Marketing for 3 years, focus on developer journey for industrial and consumer processors and microcontrollers. She is based in Guadalajara, Jalisco, Mexico.